性感染症の感染予防には、下記の 1〜3 の方法以外はないといわれています。4〜15 は、感染の危険を避けるために実行してほしい注意事項です。
1.セックスしない
一番安全で確実なのは、セックスをしないことです。しかし、現実問題としてはノーセックスの実行は難しいですよね。
2.セックスの相手を限定する
感染していない者同士では感染の可能性はありません。ただし、現在のセックスパートナーがお互いのみであることと性感染症の検査を受けて、お互いが感染していないことを確認することが前提条件になるので、現実問題として完全な実行は難しいです。性感染症は自覚症状のない場合も多く、不特定多数とのセックスは感染の可能性が高くなります。また、不特定多数とのセックスは感染した場合に感染相手を特定することが難しいので、再感染する可能性もあります。もちろん、性行為を売り物にした風俗店で性感染症を予防することは至難の業です。
3.コンドームを必ず使用する
コンドームの使用が一番現実的で確実な感染予防方法ですが、コンドームで予防できない性感染症もあるので100%確実ではありません。感染予防の為には、膣性交の時だけでなくオーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)の場合でも必ず使用してください。ただし、正しい方法で使用していないと感染する可能性があります。女性用コンドーム、オーラルセックス用コンドームも販売されています。
4.セックスの前後にシャワーを浴びる
性器、皮膚、口の中など、人の体には性感染症の原因になる様々な病原菌が付着しています。お互いに洗い落とし身体を清潔にしましょう。歯磨きをする場合は、口の中を傷つけないように注意して出血が無いようにしてください。傷口からの感染や血液による感染の危険性があります。
5.セックス前に排尿、排便をする
便の中に存在するウイルスが口から感染する場合があります。すっきり排便して肛門付近を清潔にしましょう。女性は排尿を我慢していると膀胱炎になる可能性があります。セックス直後の排尿もお勧めします。病原菌を洗い流して感染予防につながります。
6.相手の性器を確認する
相手の性器をしっかり自分の目と鼻で確認しましょう。男性の場合、尿道からの膿、性器のイボやブツブツ、尿道口の色が赤いなどの症状、女性の場合は、性器のイボやブツブツ、悪臭などの症状があれば性感染症の疑いがあります。陰毛周辺が痒そうで、頻繁にかいている場合や下着に膿やおりものが付着してゴアゴア状態になっている場合も注意が必要です。
7.性器を傷つけない
のびた爪や器具の使用は、性器の粘膜を傷つける原因になります。その場所から病原菌が侵入したり、血液を通して感染する可能性が高くなります。器具を使用する場合は、コンドームをかぶせるなど注意が必要です。
8.体調不良時にセックスをしない
疲れがたまっている時や病気などで抵抗力が低下している場合は、性感染症に感染する可能性が高くなります。また、疲労時のセックスが引き金になって、既に感染しているけれど症状の出ていない性感染症が発症(症状が出る)する場合があります。
9.生理中のセックスをしない
生理中の女性性器はデリケートで傷つきやすく、傷口からの感染の可能性が高くなります。また、出血した血液から感染する可能性もあります。
10.屋外でセックスしない
屋内にくらべ屋外は衛生状態が悪く、細菌やウイルスに感染しやすくなります。指や爪が汚れたままでの性行為は、感染の可能性が高くなります。公園、砂浜、車内などでのセックスは慎みましょう。
11.セックスするときはお酒に酔わない
アルコールの勢いでセックスに至るケースがよくありますが、アルコールや薬物は判断力を低下させます。その場合、どうしても感染予防の行動を正しく実施できない場合が多くなります。
12.寝具を清潔にする
不潔な寝具には、感染源となる病原虫がいる可能性があります。寝具はいつも清潔に保つように心がけてください。
13.タオル、かみそり、歯ブラシを共有しない
血液による感染や病原菌の感染を防ぐためにタオル、カミソリ、歯ブラシなどの共用は避けてください。
14.献血をしない
HIV(エイズウイルス)、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方は、献血をご遠慮ください。輸血を受けた人に感染させる危険性がないとはいえません。
15.検査を受ける
ご自身の現在の感染状態を確認するために、基本検査としてHIV/エイズ、クラミジア、淋病、梅毒の検査をされることをお勧めします。その他の検査は症状に応じて必要な検査を受けてください。一般の方に比べてセックスチャンスの多いと思われる方は、定期的に検査を受けるようにしましょう。